不覚にも熱中症になってしまった。
急に夏日となった土曜の昼下がり、思い立って鉢植えの植え替えをして、ついでにと草むしりにとりかかった。
悪い性分である。いちど始めると止まらないのだ。欲望のおもむくままに、あちらもこちらもと草をむしる。休憩も水分もいっさいとらず、長袖長ズボン帽子にマスクのいでたちで2時間、夏至の強烈な照り返しを一身に受け、地面に這いつくばり雑草を抜いた。
その日の夕方から猛烈な倦怠感に襲われ、早々に床に就く。頭が割れるように痛くなり、痛みで目が覚める。体が思うように動かない。吐き気で水を飲めない。
猛烈な吐き気、激しい頭痛、極度の倦怠感と書くとあまりたいしたことのないように思えるのだが、
ワタシの人生ここまでか…と、動かない体を横たえながら死を覚悟した。
翌日も起きあがれない。日曜に開いている医療機関を受診しようかな、点滴すれば良くなるよな、とぼんやり考えるも、そもそも受診の体力がないのだ。水分摂取とトイレに行くのがやっとだ。救急搬送の要請も頭をかすめたが、このあきらかな熱中症の原因が、欲望のおもむくままの草むしりだ。世間様に申し訳が立たない。却下とした。
幸い回復したが、命を落とすと思うほどの辛さを体験した。熱中症にご用心、である。水分、塩分、糖分、休憩をとるという基本的なことが大切なのである。
岡山県出身の競輪選手、本田晴美(51期)は出走前に唇のまわりに塩をたっぷりとつけ、真っ白な口でレースに挑んでいた。彼のインパクトのある出走スタイルが、熱中症でもうろうとする意識のなかで浮かび上がった。私の脳内メーカーは、熱中症、水分、塩分接種イコール本田晴美という図式だった。
口のまわりに塩をたっぷりとまぶすのは気合を入れるためだそうだが、塩分接種という観点からも理にかなっていると思う。稽古に、大会に、そして草むしりに、本田晴美選手スタイルを取り入れようかな。
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