2020年11月6日金曜日

かなわずともあの笑顔あり

広域合同稽古が再開する。


所属も名前も知らない(余裕がないので名札を見れない)、顔だけを知っているあんな人やこんな人と、また立ち合うことができると思うとワクワクする。

スキルアップすべし、といつにも増して稽古に気合が入る。


そうしたなか、

またおひとかた出稽古先の先生が、病のため指導の現場を離れることとなった。


大会や審査を控えて不安になったとき求めると、必ず前向きになれるアドバイスを下さった。

厳しい稽古を離れれば、いつも上機嫌でいらした。社会情勢のみならず文化芸能事情にも精通され、技の疑問、その他のどのような質問でも気さくに答えてさった。

わずかな空き時間でも会話をしたい人たちに囲まれていらした。いわば、先生との会話ポジションの争奪戦のようなものが静かに繰り広げられていた。争奪戦に敗れて直接お話ができずに帰る日は、心残りで肩を落とした。

卓越した洞察力と記憶力と、コミュニケーション能力のなせるわざであろうか。瞬時に迷いを見抜き、明快な答えやヒントを提示して下さった。

十五年ほど前の当会の危機的状況の時には、ご指導に来て下さっていた。


円熟味あふれる佇まいに抜群の三つ揃え姿。

情熱と達観、そして好奇心。


いただいたご恩を返せずにいる。いただいたエッセンスのわずかでも、後進に伝えることができたらなと思う。

ご一緒させて頂けた時間が幸せだった。

精神的支柱を失った現実に戸惑いながらも、再会かなう折には、あの笑顔を拝見することができると確信している。




引落打練習機
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2020年7月24日金曜日

稽古再開

来週月曜から稽古ができるようになった。5か月弱のあいだ、通りすがりの3名の方にお声がけいただいた。

一人めは「居合ですか?」。

二人めは犬の散歩中のT先生。

三人めは、武道に興味がある青年。キラキラオーラが出ていたので

「ちょっと持ってみます?」と、杖と太刀を触ってもらった。

なんと、キックボクシング教室の先生をされているという。自粛期間中のため、ズームでオンラインで生徒さんに教えているとのことだった。
少しの立ち話だったが、まったくもって爽やかな方だった。お金をもらって教える人というのはこうなんだろうなと心に刻んだ。

もうすぐ梅雨も明ける。

次回、お会いしましょう!


2020年3月26日木曜日

野稽古(のげいこ)

3月22日 日曜。

都内某所公園にて野稽古を行う。

どんどん風が強くなり、足元が砂まみれ、全身は埃まみれになる。

自分の足跡が地面に刻まれるので、太刀落としで杖の逆手打ちを受けるときに後ろに下がってしまっていることがくっきりと地面に証拠として残る(えっ、右足でなくて左足の跡ですかこれ?)。

気がつくと2時間。

1995年に発足した葛飾杖道会。通常の稽古だけでは飽き足らない面々が、誘い合って公園で昼に夜に行う野稽古。

先輩からは、「大会前には先生と毎晩稽古したぜ。夜だから気合は出さないでな」とのお話。

楽しく稽古を行えた。


2020年3月13日金曜日

真の勇者 

収束がみえないコロナウイルス禍のなか、ダメもとで入った近所の激安店で、運よくトイレットペーパーの入荷があった。
『お一家族様一点限り』の貼り紙。はやる気持ちをおさえつつ、ひと袋を手にレジに並んだ。何人か前では客の外国人が英語でなぜひとつなのかまくしたてている。

ごねるどころではない、激昂しているのだ。

あきらかに困っている若い女性店員。他の2人のレジ打ちの従業員も、50人はいたであろうレジ待ちの客も、何も言わないで黙っている。私ともう一人が助け舟を出したのだが。

怖い。

大勢の黙る人々が、ぶち切れ巨漢外国人よりも数倍、怖い。


何が正解だったのか。

注意してもますます激昂していく人に、どうしたらよかったのか。彼はパニック状態だったのか、それともゴネ得狙いのKYだったのか。

そして2時間後に最適解を導き出した。

私は自分の買ったものを彼に差し出し「だったらこれ持っていきな!お金はいらないよ!」と怒鳴りながら渡すのだ。

教訓を生かせる日が来るのか。何が正解なのか。


2020年2月26日水曜日

錬成講習会

東京武道館主催の錬成講習会に参加してきました。

範士八段は違うぜよ!

釣賀先生が段位審査実施要綱を解説して下さいました。

正しい着装について「背中に袋を作らない。6段7段審査でも乱れてる人がいる。形に入っても乱れないよう、水通しが効いていて体にマッチしてるもの。上下の色落ちの度合いは違いすぎない」ことが望ましい等、詳細を話されました。

適正な姿勢について、宮本武蔵の五輪書の身のかかり(姿勢について。顔はうつむかず、あおのかず~)のくだりをさりげなく暗唱されました。(最前列に座って受講していたので、メモなしで暗唱されていたのを目撃しました!範士八段の先生の次元をかいまみることができました!)

 六段から八段までの①理合 ②風格・品位 について、「形の技術だけでなく、所作ごとが大事。道場の出入り、用具を袋から出すとき、他の段位の審査を見ているときの姿勢」などを例に挙げてお話下さいました。


伝説のアジテーションを君は聞いたか

藤崎先生は「杖道を普及するために知ってもらいたい」と、全剣連杖道制定の経緯について語られました。

「昭和31年に全剣連に加盟するときには、当時の著名な剣道の先生方の推薦があった」「警視庁と消防庁の殉職者を祀る弥生堂の慰霊祭での清水隆次先生の演武を見て、警視庁に清水先生が師範として呼ばれた」等々。これらは数年前に勝浦中央講習会で古川瞬也先生から聞いたお話で、非常に感銘を受けたということでした。

(全剣連登録の?)杖道有段者は全国で2万4千人、東京都で800人くらいだそうです(聞き間違いでしたらすみません)。「一人が1名を杖道に呼び込めば杖道人口が倍になる!」と檄を飛ばされ、約一時間にわたって杖道の魅力を熱く語られました。

先生方の杖道に対する熱情に魅了された講義でした。さらなる普及発展のために、若い人の意見も試験的に取り入れてみるのもよいのではと思いました。

結論
錬成講習会での講義は最前列に座るべし。